2013/06/18 10:00

頭の中はいつもVerdi Vol.2

思いがけないほど注目を集めたのはこの記事でした… Photo by the courtesy of Chicago Dpt. of Public Health

by 岩渕 潤子(いわぶち・じゅんこ)/AGROSPACIA編集長

 わたしたちも・・・「こんなことになるなんて思っていなかった (UNEXPECTED)?」

 AGROSPACIAが3月中旬にローンチして、インタヴュー・ベースで地道な連載展開をしてきて、間もなく3ヶ月。取材先や寄稿者にも恵まれ、順調に読者を増やしつつあったわけですが、今回、偶然にもシカゴ市公衆衛生局の「十代の望まない妊娠防止キャンペーン」について、キャンペーンを企画したご本人、コミッショナー(局長)のベシャラ・シューケア博士に直接取材して、記事を掲載することになりました。

 その結果、思いがけないほどの多くの、今までご縁のなかった皆さまにもAGROSPACIAを知って頂くこととなり、弊誌もいよいよメディアとしての認知を確立したかなぁと、嬉しく思っています。今回、シューケア博士を取材するに至った経緯は、我ながら驚くほど、いかにも今らしいというか、ソーシャル・メディアって侮れないなと思わせるものでした。

 もともとシカゴ市のキャンペーンは、全米でも突出して高い十代での妊娠率が地域の貧困問題と密接に結びついていることから、「妊娠して子供を生み育てることはそんなに甘くない。女のコだけでなく、男のコにも責任があることを自覚させ、避妊の重要性をティーンエージャーに徹底して認知させよう」という、いかにも「公衆衛生局」が考えそうな内容でした。その趣旨を文章だけで読んでいたら、誰もが「ごもっとも」だと思っても、大して注意を払わなかったと思います。

 ところが、この啓発キャンペーンは、「臨月」かと見まごう大きなお腹を抱え、いかにもストリート系といった雰囲気の少年たちが、うつむき加減で「こんなことになるとは思わなかった?」という大文字のキャッチコピーと共にレイアウトされた衝撃的なポスターのせいで、世界のメディアから注目を集めるに至っていたのです。