2018/08/05 07:54

ニューヨークへ、子連れ旅行!

Photo:セントラルパークの湖ごしに臨むマンハッタン ⒸAkiko Bianchi

ニューヨークへ、子連れ旅行!

by ビアンキ曉子(ビアンキ・あきこ)

ビアンキ曉子さんは英国のLondon School of Economicsで修士号取得後、日本に帰国して外資系金融機関に勤め、その後、ご主人の転勤でロンドン、香港での駐在を経験。2010年からはニューヨークで暮らし、二人のお子さんの子育て真っ最中です。留学や駐在先での就労、妊娠、出産、子育てを4カ国で経験したことを活かし、現在は、内閣府認定NPO法人 マザーズコーチ・ジャパンによる認定マザーズコーチとして活躍されています。現在海外で生活中の方、あるいは、これから海外で子育てにチャレンジする皆さんの子育てが少しでも楽に、そして楽しく、より充実した生活になるようにと願い、NY発の様々なお役立ち情報を発信する連載をお願いしました。

Photo:MoMAのファミリー・ツアー ⒸAkiko Bianchi

 皆様、夏休みのご予定はいかがでしょうか? 部活や塾、お盆の帰省、家族旅行・・・。ビーチやアドベンチャーを主とした旅行は子ども連れには嬉しいですが、観光型の旅行となると子どもが飽きてしまったり、美術館などで静かに良い子にしなければいけなかったり、少し難易度が上がりますよね。そこで、お子様連れでもストレス・フリーで家族で楽しめる、ニューヨーク観光のおすすめをまとめてみました! 是非、ご参考になさって下さい。

■美術館、博物館
メトロポリタン・ミュージアム(MET)、ミュージアム・オブ・モダンアート(MOMA)、グッゲンハイムなど、ニューヨークには沢山の見逃せない美術館が有ります。おすすめは、METとMOMAのファミリー向けのサービスです。METには本の読み聞かせや、子ども用に作られた館内案内があります。また、“Can you find it?” (見つけられますか?)と言う本のシリーズは、METに置かれている絵画を題材に、絵画の中に描かれている小さな謎探しをする本で、絵画の中の小さな家や機関車、ルイ14世のマントの柄などを探しながら、遊び感覚で鑑賞できます。MOMAでは4歳以上のお子さんの無料グループ・ツアーが有り、違った角度からアートを感じる事ができます。自然史博物館は、展示室に入りきらず頭と長い首が廊下に出ている恐竜の実物大の模型や、プラネタリウム、惑星、様々な海の生き物など、化学や生物に興味の有る大人にも子供にも外せないスポットでしょう。電車好きな家族には、実際の駅を改修し、歴代の地下鉄やバスが展示してある、ニューヨーク・トランジット・ミュージアムはいかがでしょうか。少し変わったところでおすすめしたいのが、ナショナル・ミュージアム・オブ・マスマティックス(数学博物館)です。四角いタイヤの自転車に乗ったり、ロボットを操ったり。数学や物理に基づいた不思議を体験する所で、算数が苦手でも楽しめます。小学校高学年以上のお子さんのいる方には、最近話題のスパイ・ミュージアム(スパイスケープ)がお勧めです。大人も一緒になって007やミッション・インポッシブルさながら(?)の任務を行い、あなたのスパイ度と、役割の適正診断がされます。10歳の長女は、スパイのリーダー役と診断されました。将来はMI6でMでしょうか???
 未就学児のお子さんに特にお勧めなのは、チルドレンズ・ミュージアム・オブ・マンハッタンとチルドレンズ・ミュージアム・オブ・ジ・アーツです。どちらも赤ちゃんから園児まで楽しめる様にとても工夫されていて、体験しながら学べる場です。何よりも嬉しいのが、声を出し、好きな様に体を動かせる場所であること。小さい子にはそう言う時間は必要ですよね。

Photo:夏の間だけ開催されるビクトリアン・ガーデンズ(移動遊園地) ⒸAkiko Bianchi

■公園
セントラルパークは有名ですよね。夏の間は、ビクトリアン・ガーデンズという移動遊園地が開設され、小学校低学年ぐらいまでのお子さんならば楽しめます。 また、沢山あるプレイグラウンド(遊具付き公園)の多くで水遊びができます。特にMET隣のアンシェント・プレイグラウンド内のほとんどが水で濡れるので、METの帰りに寄る際にはお子さんの水着を持って行くのをお忘れなく! その他、餌付けもできる小さな動物園、メリーゴーラウンド、ボート、操り人形が観れる劇場も有ります。公園内にボートハウス・レストランやル・パン・コテディアンもありますが、お勧めは、公園近くのプラザ・ホテル地下のフードコートでランチやお菓子を購入し、公園の芝生に座ってのピクニックです。東京ではなかなかできない芝生の上でのピクニック。是非、ニューヨークで楽しんで下さい。
 ここでは割愛しますが、セントラルパーク以外にも沢山の公園が有るので、お子さんの気分転換にでも、是非行かれてみて下さい。

Photo:自由の女神像
ⒸAkiko Bianchi

■自由の女神
ニューヨークと言えば自由の女神を思い描く方も多いことでしょう。バッテリー・パークよりフェリーに乗って自由の女神のそびえ立つ島へ。自由の女神の冠からマンハッタンの景色を一望する事も可能ですが、身長が120センチ以上である事と、事前にチケットの購入(フェリーのチケットとのセット)が必要ですのでお気を付け下さい。わざわざ島まで行かなくても良いと言う方は、クルーズ・ラインと言うフェリーによる観光ツアーはいかがでしょうか。1時間のツアーで、ハドソン川の42丁目の桟橋から南へ、自由の女神や新築されたワールド・トレード・センターの有るダウンタウンが見れます。2時間のツアーでは、更にマンハッタン東側へも行くので、イースト・リバーに掛かるブルックリン・ブリッジやエンパイアステートビル、クライスラービルも見れます。その間、大人は少しゆっくりできるかも。因みに、この桟橋はトム・ハンクス主演の映画にもなった『ハドソン川の奇跡』の飛行機が不時着したすぐ側で、事故の際にクルーズ・ラインを始め観光用のフェリーが乗客、乗務員の救助に向かったそうです。

Photo:チェルシーマーケット
ⒸAkiko Bianchi

■ショッピング
お父さん、お母さんだけではありません。子どもたちだって、ショッピングに行きたいでしょう。とは言え、日本に一時帰国するたびに「日本に無いもの」は無いと感じているので、ここではアメリカにしか無い(と思われる)お店を。レゴ・ストアでは最新のレゴが購入できるだけでなく、ストア限定のレゴ・セットや、子ども用のレゴの腕時計など、レゴをテーマにしたレゴ以外の物も販売されています。今となっては珍しく1個づつレゴが買えるので、失くしてしまったピースもここで調達。お店に飾られているレゴで作られた自由の女神やチューバッカなどにはその精密さに驚かされます。また、お人形好きな子には、アメリカン・ガール・プレイスが楽しいでしょう。沢山ある人形の中でも興味深いのは、肌の色、髪の色と質、目の色、そばかすの有無など、自分そっくりの人形があり、その人形の数には圧倒されます。アメリカの多様性と人種のるつぼであることを感じられるでしょう。ビルト・ア・ベアでは、自分だけのオリジナルのぬいぐるみが作れます。五番街の高級ブティックにも近いので、子供たちがぬいぐるみを作っている間に両親で交代で買い物へ行けるかも。タイムズ・スクェアへ行った際には、チョコレートのM&M’s World で自分だけの名前やメッセージ、写真入りのチョコレートを思い出やお土産に作ってみてはいかがでしょうか。

■スポーツ好きなご家族に
ヤンキースやメッツの野球観戦や、8月下旬であれば、テニスのUS Open観戦も楽しめます。サッカーのインターナショナル・チャンピオンズ・カップが7月20日から8月11日まで開催されており、レアル・マドリッドや、マンチェスター・ユナイテッドなどが参加しています。体を動かす事が好きな家族は、観光の合間にチェルシー・ピアで気分転換はいかがでしょうか。屋内アイススケート、ロッククライミング、セイリング、ゴルフや野球の打ちっぱなし、ボーリングができます。セイリング以外は屋内なので、暑さ凌ぎにも良いですね。

Photo:鉄道用高架橋を再利用してできたハイライン
ⒸAkiko Bianchi

■ブロードウェイ
今一番話題の子ども向けミュージカルといえば、やはり、フローズン(アナ雪)でしょう。映画の再現の度合いと役者の歌唱力が素晴らしいそうです。英語が分からなくとも、映画で内容が分かっていれば楽しめるとのこと。その他、小さなお子さんへのお勧めは、ライオン・キング、アラジン、メアリー・ポピンズ、チャーリーとチョコレート工場など。小学生は、マチルダ、スクール・オブ・ロック、アナスタシア、ウィキッドなどが楽しめると思います。

■グリニッジ・ヴィレッジ
家族で観光も買い物も遊びも食事も・・・それを半日位で楽しむとしたら、グリニッジ・ヴィレッジがお勧めです。ハイラインは、不使用となった鉄道用の高架橋を歩道にして木や花を植え、夏には水を流し、都会のオアシスとなりました。途中アイスクリームを食べながら家族で散歩を楽しんで下さい。この側にはおしゃれなセレクトショップや有名ブティック、アップル・ストア、サムスンの展示室があります。5番街界隈のブティックよりフレンドリーで子連れでもお店に入りやすい雰囲気です。アップルストアでは、無料ワークショップも行なっています。サムスンのコンセプト・ストアは、小さな子どもから大人まで、最新のテクノロジーを使った色々な体験ができます。例えば、ソーシャル・ネットワークと連動させた小さな部屋は、部屋の中が全てご自身のインスタグラムやフェイスブックにアップロードされた沢山の写真に包まれ、まるで思い出の中にいるような不思議な感覚になります。3Dメガネを着けてバーチャル・リアリティの体験も。チェルシー・マーケットには、本屋やおもちゃ屋、1つから買えるチョコレートなどお菓子のお店、スーパーマーケット、雑貨屋やスパイスの専門店など見るだけでも楽しめるお店ばかりです。カジュアルなレストランもありますが、屋台の様な感覚で食べ歩いたり、廊下に置かれているテーブルで食べることもできます。

PROFILE

ビアンキ曉子(ビアンキ・あきこ)

東京都出身。 高校卒業後渡英。 London School of Economics修士号取得後、2000年に帰国して外資系金融機関に勤める。夫の転勤により、ロンドンと香港での駐在を経験。2010年からニューヨーク在住。2児を育児中。 留学、夫の赴任先での就労、妊娠、出産、子育てを4カ国で経験。現在は、内閣府認定NPO法人 マザーズコーチ ジャパン認定マザーズコーチとして活動。自身の海外経験を活かし、海外生活や海外での子育てが少しでも楽に、そしてより楽しく、より充実した生活になる事を願い、コーチングを行なっている。ライフコーチの特性を活かし、200校以上あると言われているニューヨークの私立校から、生徒やその家族にとって最良の学校選びの為のアドバイスも行う。

ビアンキさんへの執筆、講演依頼、取材して欲しいテーマ、コーチングについてのご相談、また、記事に対する感想などがありましたら、info@agrospacia.comまで。