2018/05/25 07:22

イマゴメソッドが解き明かすパートナーシップの真の目的とは? ~後編~

Photo:母親と子供たち Ⓒpexels

イマゴメソッドが解き明かすパートナーシップの真の目的とは? ~後編~

by 大濱里美(おおはま・さとみ)

 大濱里美さんは兵庫県出身。化粧品メーカー勤務を経て、2004年に米国へ大学院留学し、卒業後、現在のパートナーと出会って結婚。心理カウンセラー/コーチの夫と2人の子供たち(6歳と2歳)と共にニュージャージー州にお住いです。夫婦の関係について真剣に考えるイマゴ・メソッドと出会い、カップルでのワークショップに参加した経験を基に、妥協なく愛がある真のパートナーシップとは何か、また、イマゴ・メソッドとはどういうものなのかについて連載をお願いしています。

Photo:寄り添うカップル 
Ⓒpexels

 前編では、イマゴメソッドの中心的概念である「イマゴ」とは何か、恋に落ちる相手の法則、そして、いずれ倦怠期が訪れる深い理由と倦怠期の非常に困難な課題について述べました。今回は、その続きです。

 私たち夫婦の場合、夫のニーズの一つは、私がもっと愛情豊かになることです。私は小さい頃、1歳半離れた妹の世話に追われた母親に甘えることが出来なかったり、賑やかな妹が注目を浴びていたため、いつしか感情を表に出さなくなりました。また、親からあからさまな(夫が私に求めるほどの)愛情表現を受けた記憶もありません。むしろ、「うちの子はアホばっかりですわ。」という父の言葉を覚えてます。父は、謙虚なつもりで言ったのでしょうけれど。そんな私にとって、愛情を豊かに表現することは、大きなチャレンジなのです。このチャレンジを乗り越えることができたら、夫を満たすことができると同時に、私の人生もさらに豊かになるでしょう。

 このようにイマゴメソッドの理論では、パートナーシップの真の目的とは、パートナーシップを通して、自分の苦手を克服(子供の頃に親との関係で傷つき、抑圧してきた部分を回復)し、愛する相手のニーズに応えることで、相手も癒され、自分も完全なる自己を取り戻し、癒されることなのです。そして、イマゴメソッドは、この真の目的を達成するための具体的な方法を、教えてくれます。(イマゴメソッドの主要な柱の一つ、イマゴ対話については、過去の一連の記事で触れています。ご参照ください。)

 ちなみに、冒頭の「あれほど好き合って一緒になったのに・・・。私たち、どうしちゃったの?」という気持ちは、イマゴメソッドに出会うまでの私の気持ちでした。でも、イマゴメソッドを通して恋愛の隠された仕組みと、パートナーシップの真なる目的、そしてパートナーとの絆を深めるための具体的な方法を学んだ今は、日常のネガティブなことに執着することから視点を大きく転換して、困難な状況も、ここからが私たち夫婦にとっての正念場なのだと、二人で前向きに取り組もうと、希望と勇気を持つことができるようになりました。そして、かつての私と夫のように、夫婦関係で悩み、傷つき、出口が見えないで苦しんでいるカップルや、これから新たな恋愛を始めるカップルなど、すべてのカップルへ、イマゴメソッドのことを伝えたい、自分たちのパートナーシップに希望を持って欲しい、と思っています。

The true purpose of a committed relationship #2

In my relationship, one of my husband’s needs is for me to be more affectionate. Growing up, I felt I did not get too much attention from my mother as she was busy taking care of my sister who was 18 months younger than me. I do not remember my parents expressing affections to us or to each other clearly (as clear as my husband wants me to express). When talking about my sister and I in public, rather than praising us, my father would describe us as insignificant. Although this is partially a Japanese cultural norm, as a child I interpreted as lack of affection by my father and the meaning I made of it was that it was not ok to show affection openly. As a result, I learned to repress my emotions and needs. So it is a big challenge for me to openly express love and affection.

According to the Imago theory, the hidden agenda of a committed partnership is to overcome our challenge to give what our partner needs. To do this, we must recover our lost self that was repressed in childhood in order to adapt to our family and to society. This process of slowly re-claiming our lost selves heals our partner as well as ourselves. If I could conquer the challenge of expressing affection, not only will it fulfill my husband’s needs, but also fulfill the missing part of me. And the Imago method provides a step-by-step roadmap for the journey of the true partnership.

The aforementioned feeling of “we used to love each other… what went wrong with us?” used to be my feeling. But when I learned about the Imago method and became aware of the mechanism and true purpose of love relationship as well as the methods of how to deepen our connection to our partner, it totally changed the outlook of our relationship and gave me hope and courage to move forward in our relationship. And I’m hoping to share the Imago method to all the couples and bring hope in their partnership.

PROFILE

大濱里美(おおはま・さとみ)

兵庫県出身。化粧品メーカー勤務を経て、2004年に米国へ大学院留学。卒業後、現在の夫と出会い、結婚。現在、心理カウンセラー/コーチの夫、7歳と3歳の子供たちと、ニュージャージー州在住。趣味は、ヨガ、水泳、ランニング、空・石・アート観賞。
2013年に、イマゴメソッドのカップルワークショップに夫と参加、自分とお互いの深い内面とその夫婦関係への影響に気づく衝撃的な経験をして以来、創設者ハーヴィル・ヘンドリクスとヘレン・ハント夫妻やイマゴ講師に、イマゴメソッドを学ぶ。結婚10年目を迎え、妥協なく愛がある真のパートナーシップを目指して、夫婦関係の改善に取り組んでいる。ブログ『イマゴ的夫婦生活 IN アメリカ』も執筆中。

*大濱さんへの執筆・講演依頼、取材して欲しいテーマの具体的なご相談などがありましたら、info@agrospacia.comまで。