2017/09/13 10:04

第1回 海外で子育てしてみれば・・・ニューヨーク(前編)

Photo:マンハッタンのスカイライン ⒸAkiko Bianchi

第1回 海外で子育てしてみれば・・・ニューヨーク(前編)

by ビアンキ曉子(ビアンキ・あきこ)

ビアンキ曉子さんは英国のLondon School of Economicsで修士号取得後、日本に帰国して外資系金融機関に勤め、その後、ご主人の転勤でロンドン、香港での駐在を経験。2010年からはニューヨークで暮らし、二人のお子さんの子育て真っ最中です。留学や駐在先での就労、妊娠、出産、子育てを4カ国で経験したことを活かし、現在は、内閣府認定NPO法人 マザーズコーチ・ジャパンによる認定マザーズコーチとして活躍されています。現在海外で生活中の方、あるいは、これから海外で子育てにチャレンジする皆さんの子育てが少しでも楽に、そして楽しく、より充実した生活になるようにと願い、NY発の様々なお役立ち情報を発信する連載をお願いしました。

Photo:誰もが知る自由の女神像 ⒸAkiko Bianchi

2010年に夫の転勤で渡米してから、ニューヨークでの子育てが7年目となりました。ニューヨークの子育てというと、世界一流の物に触れられる素晴らしさや、華やかなセレブの様な暮らし。それとは逆に、治安の悪さや人種差別などのマイナス・イメージ・・・どちらも否めませんが、それだけではないように思います。私の考えというだけではなく、色々な視点からニューヨークでの子育ての様子をお伝えできる様、集計したアンケートを元にお話したいと思います。アンケートにご協力頂いたのは、在ニューヨークの日本人、イギリス人、インド人、オランダ人、ギリシャ人、スイス人、パキスタン人、フランス人。外国人の視点に重点を置くため、成人してからニューヨークに移住された方々に協力をお願いしました。また、幅広い意見が聞けるように女性と男性、駐在員家族と永住者、居住地域もマンハッタンだけでなく、ブルックリンや、クイーンズ、お子様の年齢は幼児から大学生、そして職業も専業主婦から会社経営をされる方までご協力頂きました。

アンケートの質問は、1)ニューヨークで子育てをして良かったことや、ニューヨークだからこそ得られた事は何か。2)ニューヨークにいるからこその、心配や悩み事は何か。3)ニューヨークで子育てをして、良くも悪くも、驚いた事は何か。4)母国語を教えているか。 以上4点に絞って自由にご回答頂きました。

人種のるつぼと呼ばれる、ニューヨークでの子育てにて良かった事の筆頭としてあげられたのは、「人種や文化の多様性や、国際的な視野が持てる」ことでした。興味深いところは、同じく国際的な都市と呼ばれるロンドンやパリ出身の方でさえも、同様に答えていたことです。外国人でもニューヨーカーとして受け入れてもらいやすいため、他の国内外の都市に比べて疎外感が少ないように感じます。また、「違いを認め合い、その違いに優劣の差は無い事」を低学年から教える学校も多くあり、子ども達は人と違う発言をしても受け入れられること、個性を尊重してもらえること、個々の存在を承認してもらえることなどを学校生活の中で体験します。その貴重な経験は、国際的な感覚を身に付けるだけでなく、自分に自信を持つこと、自己肯定に大きく貢献していることでしょう。

その他、ニューヨークには、子どもたちが楽しめる博物館や美術館、ブロードウェイやMETのオペラなどの芸術、セントラル・パークを始めとした公園も沢山有ります。一般的なスポーツや音楽だけでなく、空手やそろばん、機織りまで習えるという、習い事の幅の広さも子育ての魅力の一つとしてあげられました。また、同じく習い事について、技術や勝ち負けばかりでなく、スポーツマンシップや、何よりもそれ自体を楽しむことを強調する環境の教室が多いことも良い点としてあげられました。大人が子どもに学校や習い事への質問をする時に必ずと言って良い程、まず、「エンジョイして(楽しんで)いる?」と聞くのも納得です。

日本人の方が一番懸念されている事は、やはり治安の悪さです。日本と言う世界でも類を見ない治安の良い国からニューヨークに移住すれば、とても不安になるでしょう。低学年のうちは登下校に大人の付き添いが義務化される学校が一般的ですし、特に女子校では、高学年から護身術を教えたり、また、父兄が交代で通学路をパトロールする学校も多くあります。「子どもたちを守ります」と書かれたシールが貼ってある商店も多くあり、身の危険を感じた生徒はそこへ避難することができる様、街全体で子どもを守るように勤めている印象を受けます。

PROFILE

ビアンキ曉子(ビアンキ・あきこ)

東京都出身。 高校卒業後渡英。 London School of Economics修士号取得後、2000年に帰国して外資系金融機関に勤める。夫の転勤により、ロンドンと香港での駐在を経験。2010年からニューヨーク在住。2児を育児中。 留学、夫の赴任先での就労、妊娠、出産、子育てを4カ国で経験。現在は、内閣府認定NPO法人 マザーズコーチ ジャパン認定マザーズコーチとして活動。自身の海外経験を活かし、海外生活や海外での子育てが少しでも楽に、そしてより楽しく、より充実した生活になる事を願い、コーチングを行なっている。ライフコーチの特性を活かし、200校以上あると言われているニューヨークの私立校から、生徒やその家族にとって最良の学校選びの為のアドバイスも行う。

ビアンキさんへの執筆、講演依頼、取材して欲しいテーマ、コーチングについてのご相談、また、記事に対する感想などがありましたら、info@agrospacia.comまで。