2017/05/21 05:02

イマゴ・メソッドから考える・・・
あなたにとって理想の夫婦像とは?

Photo:イマゴ・メソッドの創設者ハーヴィル・ヘンドリックス+ヘレン・ハント夫妻、筆者と夫(左端) ⒸSatomi Ohama

イマゴ・メソッドから考える・・・あなたにとって理想の夫婦像とは?

by 大濱里美(おおはま・さとみ)

 あなたにとって、理想の夫婦像とは、どんな夫婦ですか?理想の夫婦像について、パートナーと話し合ったことはありますか?
大濱里美さんは兵庫県出身。化粧品メーカー勤務を経て、2004年に米国へ大学院留学し、卒業後、現在のパートナーと出会って結婚。心理カウンセラー/コーチの夫と2人の子供たち(6歳と2歳)と共にニュージャージー州にお住いです。夫婦の関係について真剣に考えるイマゴ・メソッドと出会い、カップルでのワークショップに参加した経験を基に、妥協なく愛がある真のパートナーシップとは何か、また、イマゴ・メソッドとはどういうものなのかについて連載して頂きます。

Photo:夫婦の文字:書道家の山路梓先生による作品
ⒸSatomi Ohama

突然ですが・・・私は結婚10年目にして、初めて夫と理想の夫婦像と夫婦間のルールについて真剣に話し合い、明確化することができました。そうせざるを得ない状況にまで陥っていたからです。小さなことがきっかけで、お互いを傷つけ、信頼を失い、夫婦関係の根底を揺るがすような大きな喧嘩を繰り返し、喧嘩がない時も、心の繋がりが感じられないような状態。たまに心が通じた、満ち足りた一日を一緒に過ごせたことがあっても、いつの間にか、心は離れてしまっていました。後で話し合った時にわかったことですが、私は喧嘩もなく、穏やかで満たされた日々だと感じていた時でも、夫にとっては、心の繋がりがない、愛を感じられない日々だと思っていたようです。私は日本生まれ、日本育ちで、私の両親が、お互いへの愛情をあからさまに表現することはほとんどない環境で育ちました。同じように、夫へ意識して愛情を表現することのないまま、たまに大きな喧嘩をしても、二人の幼い子供たちがいる日々の生活を、穏やかに過ごせる日々があることは、私にとっては普通に幸せなことでした。一方、アメリカ人の夫にとっては、そのような平穏、平凡な生活を望んでいるわけではありませんでした。愛が感じられない夫婦生活は、苦しかったようです。
私たちが今こうして、喧嘩をしても、腹を割って話し合い、和解し、理想の夫婦像へと意識的に取り組んでいるのも、忍耐強く、信念を持って向き合ってきてくれた夫のお陰であるところが大きいです。そこで、私の夫がどういう人物か、夫婦関係改善に貢献したいくつかの特徴をご紹介したいと思います。

1.聞く耳を持っている: 心理カウンセラー・コーチという職業柄、話し合うことを尊重し、人の話を聴くのが上手い。感情的な場面でも、目標を失わなずに対応できます。

2. 人生への意欲: 主に薬物・アルコール中毒者の回復、人生への復帰を支援するコーチとして、人に生き様を示し、生きることに関心と希望を持たせる仕事をしているため、自分の人生も満ち足りたものでありたいと思っています。そして夫婦関係以外、人生結構うまくいっているようです。

3. 困難やチャレンジは受けて立つ: 困難には怯まず、打ち勝って、強くなるんだという精神を持っています。

4. イマゴ・メソッド(*1)を信じている: (イマゴ・メソッドは、とても深いので次回少し詳しくご紹介したいと思います。)自分たち夫婦は、典型的なイマゴ・カップルであり、この困難な苦しいステージを越えれば、お互いが癒され、失ってきた自己を回復し丸ごとの自分になれる(*2)という希望を持っています。また、今まで参加したイマゴのカップル向けワークショップで出会った講師たち(通常、講師たちもカップルで指導している)が理想的なカップルを体現していたことで、励みになっています。さらに、ワークショップで真の心の繋がりを感じた瞬間があったことも、その心の繋がりを日常に感じられるようにするのだという目標となりました。

Photo:筆者作成のビジョンボード。記念日に贈られたカードや、思い出の写真とともに、理想の夫婦関係へ向けてのキーワードをコラージュしたもの ⒸSatomi Ohama

これら夫の長所に対して、私の貢献した主な特徴といえば・・・

1. 感じていることを素直に伝えられる: 心理カウンセラーである夫は、お互いを理解するために、お互いが何をどう感じているのかを話し合うことを大切にしています。私はもともと、自分の感情について把握できていませんでしたが、意識して伝えられるようになりました。今では私から率先して、感じたことを伝えています。

2. 夫が運命の人だと信じている: 結局は、彼ほど私を理解し、サポートし、私が私であれる人はいないと思っています。だからこそ、喧嘩をしても最終的には和解するし、カップル向けワークショップへ参加したり、イマゴ対話(*3)に取り組んできました。
上記以外に、私と夫の関係を取りもった、最大の決定要因は、愛する子供たちの存在でした。子供たちのためにも、諦めませんでした。そして、夫婦間のルールづくりと、理想の夫婦像を明確化するに至ったのでした。この話し合いをもとに、夫婦の関係を改善し、理想の姿へ近づくため、私はビジョンボードを作成し、毎日目にする場所に飾っています。私たち夫婦は、ルールと理想像について、真剣に話し合い、合意したあの日以来、喧嘩をしても、話し合い、お互いの理解を深めて、少しづつですが前進しているように思う今日この頃です。

※1 イマゴ・メソッド(Imago Relationship Therapy) は、心理学者・セラピストであるハーヴィル・ヘンドリクスが、妻のヘレン・ハントと創設したもの。彼の著書、Getting the Love You Want: A Guide for Couples は、200万部超えのベストセラー。

※2 イマゴ理論では、パートナーシップは、ラブ・ロマンス期から始まり、権力闘争期、意識的パートナーシップ/癒し期、そして真実の愛の段階があるとしている。

※3 イマゴ対話は、イマゴ・メソッドのエクササイズの一つ。相手の言うことを正確に聴き、相手の考え方を理解し、確認し、相手の感情に共感を示す対話法。

PROFILE

大濱里美(おおはま・さとみ)

兵庫県出身。化粧品メーカー勤務を経て、2004年に米国へ大学院留学。卒業後、現在の夫と出会い、結婚。心理カウンセラー/コーチの夫と2人の子供たち(6歳と2歳)と、ニュージャージー州在住。趣味は、運動(ヨガ、水泳、ランニング)、空・石・アート観賞。2013年に、イマゴ・メソッドのカップル・ワークショップに夫と参加、自分とお互いの深い内面とその夫婦関係への影響に気づく衝撃的な経験をして以来、創設者ハーヴィル・ヘンドリクスとヘレン・ハント夫妻やイマゴ講師に、イマゴ・メソッドを学ぶ。結婚10年目を迎え、イマゴ・メソッドを通して、妥協なく愛がある真のパートナーシップを目指して、夫婦関係の改善に取り組んでいる。

*大濱さんへの執筆・講演依頼、取材して欲しいテーマの具体的なご相談などがありましたら、info@agrospacia.comまで。