2016/07/20 09:29

TRP/東京レインボープライド 2016
ーより生きやすい社会へ向かって・・・ 

Photo: ハッピに鉢巻姿のTim Hitchens英国大使と Ⓒ青山BBラボ

by 小野﨑姫乃(Himeno Onozaki)/ 青山BBラボ

今年のゴールデンウィークも東京は虹色の活気に溢れていた。2013年から行われている東京レインボープライド(以下TRP)だが、今年は最多の参加人数(7万人以上 )を記録し、今までにない盛り上がりをみせた。代々木公園で二日間行われるフェスタでは、様々な企業・団体がブースを設けセクシュアルマイノリティ(以下セクマイ)やその周囲の人のためのイベントを行っていた。私たち青山BBラボは英国大使館のブース運営のお手伝いに参加した。

Photo:杉山文野さんと
Ⓒ青山BBラボ

英国大使館のブースでは、イギリスにおけるセクマイ事情をテーマにしたクイズと英国大使館オリジナルフォトフレームを使った記念写真撮影を行い、我々、青山BBラボのメンバーは主に写真撮影を担当。2日間で多くの人に声を掛け、写真を撮ってもらい、セクマイフレンドリーなイギリスをアピールすることができた。また、色々な人と触れ合う中でセクシュアリティの多様性を再認識できた。

私の周りにはセクマイであることをカミングアウトしている人はほとんど居ない。そのため、セクマイの存在は頭では認識してはいるものの、実感としてはどこか遠い存在だと感じていた。しかし、あの2日間の代々木公園ではいわばセクマイが”マジョリティ”であり、むしろセクシュアリティに関係なく、参加者は皆思い思いに友達・恋人・パートナーなどとイベントを楽しんでいる様子であった。

Photo:通称ドロイド君と
Ⓒ青山BBラボ

 このところセクマイへの関心が年々高まり、日本のみならず各地で当事者の権利向上運動がますます活発になっている。とはいえ、未だセクシュアリティを理由に生活の不便さや息苦しさを感じている人は決して少なくない。何でもない日の代々木公園で、ヘテロカップルもセクマイカップルも穏やかな時間を過ごせるようになるのに、あとどれくらいかかるのだろうか。最も、ヘテロ/セクマイというカテゴリーに拘らずどんなセクシュアリティであろうと関係なく万人が過ごしやすい社会というのが本当の意味でのセクマイフレンドリネスだろう。フェスタでは、セクシュアリティが何であるかに執着せず、それぞれが自分のアイデンティティをごまかすことなく過ごしているように見えた。これはいささか楽観的過ぎる見解かもしれないが、たとえ小さな一歩であってもTRPを開催すること、TRPに参加することが「本当の意味での生きやすい社会」へ近づくための確実な前進であると私は考える。

PROFILE

小野﨑姫乃(おのざき・ひめの)

神奈川県生まれ。青山学院大学在学。小さい頃から「差別」「不平等」「常識」「普通」に関心を持ち、高校時代にセクシュアルマイノリティについて勉強する。大学では主にジェンダー・セクシュアリティやフェミニズムを勉強している。
Photo:ⒸMegumi Inoue