第11回　中国は世界への扉
上海で元気に働くビジネスウーマン： 一ノ瀬 直子さん

Photo：生徒たちの手形がたくさんのカラフルな教室
Ⓒnaoko ichinose

深水：上海にはどんなきっかけで来たのですか？

一ノ瀬：もともと海外志向も全くなかったのですが、以前勤めていた料理教室の上海教室ローンチのために駐在することになりました。それが4年前です。日本では、たくさんのお教室の売上げアップや新店舗ローンチなどを経験していたので、中国でも同じようにできる！と自信があったのですが、中国語のスキルが足りず非常に苦労しました。その会社は結婚を機に退職し、しばらく専業主婦をしていたのですが、1年ほど前にレインボーバードの運営に関わる事となりました。

Photo：上海高島屋3Fにあるレインボーバード幼児教室
Ⓒnaoko ichinose

深水：現在レインボーバードではどのような教育サービスを展開されているのですか？

一ノ瀬：レインボーバードでは、月齢に合わせて生後6ヶ月から6歳までのお子さんの能力開発を行っています。一コマは50分なのですが、この間に知育おもちゃや教材を使って、シナプスを強化し、脳を鍛えるトレーニングを行っています。右脳はイメージ、左脳は思考・論理・言語などを司ると言われており、年齢が下のクラスは特に右脳を中心にトレーニングしていきます。このくらいのお子さんは、知能も好奇心も一番成長する時期。それに、この時期はまだ遊びと勉強の区別もないので、“勉強をすること”への抵抗感を少なくすることもできます。

Photo：忙しい一ノ瀬さんの癒やし、愛犬タオちゃん
Ⓒnaoko ichinose

深水：どのような生徒さんが多いのですか？また、上海のお母さんたちが子育てで苦労されているポイントは何ですか？

一ノ瀬：お子さんの国籍でいうと、中国と日本の子が多いですね。日本人向けには、通常のコース以外に、帰国後の私立・国立小学校受験を視野にいれた対策授業も行っています。また、上海は国際都市ということもあり、ハーフの子も多く、日本語教育について悩まれているお母さんが多いです。どうしてもお子さんはお母さんと一緒にいる時間が長いので、お母さんの母国語は比較的マスターできるのですが、お父さんの母国語を流暢に喋れるようになるのはなかなか難しい。それを心配されているご家庭は、日本語特訓コースに参加されています。これは国際カップル、海外在住ならではの悩みですよね。

深水：中国人と日本人のお子さんの違いはありますか？

一ノ瀬：もちろんどのお子さんにも個性があるので一概には言えないのですが、中国人のお子さんは一人っ子政策の影響もあり、親や親戚から非常に可愛がられて育っています。そのせいか日本人と比べると協調性があまりなく、わがままな子も多い。そう言った点を心配されている中国人のお母さんも多いです。一方日本人の子どもは、お国柄か間違うことが恥ずかしいと思うせいか、負けそうな試合はしない子が多いですね。そのために“まず間違ってもいいからやってみよう！”というところから教えていきます。中国人の子どもも日本人の子どももそれぞれ、特性があって面白いですよ。それぞれの長所を伸ばしていけたらいいですよね！

深水：本日はありがとうございました。