2014/05/07 12:00

第6回 中国は世界への扉
上海で元気に働くビジネスウーマン: 中村 友香さん

Photo:創造性を刺激する永康路のカフェ Ⓒ Yuka Nakamura

第6回 中国は世界への扉
上海で元気に働くビジネスウーマン: 中村 友香さん

by 深水 エリナ(ふかみ・えりな)/ 析得思(上海)商務諮詢有限公司 総経理

アグロスパシア株式会社は、「私たちは社会にイノベーションを起こすエンジンだ!」を合言葉に、従来の「ベンチャー」の概念では定義の難しいニッチなテーマ、次世紀のライフ・スタイル研究、地球以外の惑星で生きてゆくために宇宙で必要となる技術…などを取り上げ、そこに関連する人と情報のアグリゲーションを目ざしています。

深水エリナさんは、自身も上海でマーケティング&セールス・コンサルティングを専門とする会社を立ち上げて活躍中ですが、『AGROSPACIA』では深水さんの協力を得て、上海を中心にアジアでダイナミックにビジネスを展開する人たちをご紹介するインタヴューのシリーズを連載しています。

今回の第6回目は、上海の広告代理店にて企画営業として活躍する中村友香さんが登場。中村さんは映画監督になる事を夢見て18歳で渡米。日本へ帰国後、大手広告代理店でテレビコマーシャルやグラフィックの海外制作のプロデューサーとして、様々な国で広告を制作されました。優秀なアートディレクターと仕事を共にする中で、自身から表現するアートの世界に興味を持ち、2006年に退職し、フリーランスでアートキュレーターとしてアートマネジメントの世界へ飛び込みました。2012年に写真の制作会社に転職し、上海支社を立ち上げるため上海へ駐在。2014年8月から、上海の広告代理店にて企画営業として、日系クライアントの広告の企画から実行までのサポートを行っている、これからさらなる活躍が期待される一人です。

Photo:おしゃれな飲食店が多い巨鹿路
グラフィックデザイン:伊瀬 幸恵
Ⓒ Yuka Nakamura

深水:今までどのようなお仕事をされてきたのですか?

中村:アメリカではディレクター/撮影コーディネーターとして、映像の制作に関わっていました。帰国後は、大手広告代理店でテレビコマーシャルやグラフィックの海外制作プロデューサーとして、さまざまな国で広告制作に携わってきました。海外で仕事をすると優秀なアートディレクターと仕事を共にすることも多く、次第にクライアントにニーズに答えるのではなく、自身から表現するアートの世界に興味を持ちはじめ、広告代理店を退職して国内のアーティストの企画展覧会をサポートをするアートビジネスをアジア中心に始めました。現在は、上海の広告代理店で、日系クライアント向けに広告の企画営業をやっています。大手代理店ではできなかった企画全般やクリエイティブソリューションにダイナミックに携わる事ができ、クライアントも自動車メーカーや化粧品メーカーなど幅広い業種に恵まれているのでとても楽しいです。

深水:中村さんは前回駐在時、帰任命令と共に現地で転職を決意されましたよね。そこまで上海に魅了される理由は何なのでしょうか?

中村:上海とのご縁は2002年にプライベートで友人を訪ねたのがはじまりです。その後、広告代理店で仕事をしていたときもクライアントの広告制作を行うため十数回上海に来ていました。当時も「上海ステキだな、住んでみたいなぁ。」と思っていたのですが、なかなか実現していませんでした。そんな時、2012年に勤めていた写真制作会社の上海支社立ち上げの話があり、駐在員としてようやく上海に越してくることができました。ただ、残念ながら当時の駐在期間は8ヶ月と非常に短く、「まだ上海でやり残したことがある!」と思い、上海に残るため現地の広告代理店に転職をしました。

Photo:上海の迎賓館
ⒸYuka Nakamura

深水:広告代理店は非常にお忙しいとは思いますが、週末はどのように過ごされていますか?

中村:上海を舞台にした純愛小説を書いています。男性が主人公なのですが、初めて私が上海に来た2002年から2012年までの10年間を舞台にしています。
もともと、アメリカ時代に映画監督を目指していた事もあり、人生に一度くらいは映画を作りたい、とぼんやり考えていました。ここ上海、特にフランス租界地はとても不思議な場所で、西洋と中国が絶妙なバランスで交わっています。ここで生活をしていると日常から意識や感覚がどんどん離れて行き、別世界に住んでいる感覚がします。街角や老房子(古い住居)、小さな路地、歴史的建造物等いたるところから私にとっての非日常的な刺激をもらい、いつしかある物語を考え始めていました。
深水:中村さんのお話を聞いていて、上海と中村さんは切っても切れないご縁のようですね。いつまで上海に滞在される予定ですか?

中村:いかに人生を創造的に生きるか、という事が人生の目標です。その表現の場が、広告でも、小説でも、映画でも何でもいいと思っています。そして、その豊かな創造力をもたらしてくれるのは、フランス租界の街並であり、そこに住む人々、歴史、習慣、文化であると思っています。ここ上海の刺激を吸収し、気のすむまでたっぷり吸い込んだら、その時に日本に帰国しようと考えています。私の人生にとって、上海という街はなくてはならない存在ですね。

PROFILE

中村 友香(Yuka Nakamura)
Beauty Works 営業

横浜生まれ。映画監督になる事を夢見て18歳で渡米。日本へ帰国後、大手広告代理店でテレビコマーシャルやグラフィックの海外制作のプロデューサーとして、様々な国で広告を制作。優秀なアートディレクターと仕事を共にする中で、自身から表現するアートの世界に興味を持ち、2006年に退職し、フリーランスでアートキュレーターとしてアートマネジメントの世界へ。2012年に写真の制作会社に転職し、上海支社を立ちあげるため上海へ駐在。2014年8月より上海の広告代理店にて企画営業として、日系クライアントの広告の企画から実行までのサポートを行っている。

深水 エリナ(Erina Fukami)
析得思(上海)商務諮詢有限公司
総経理
アパマンショップホールディングス、中国・インドでマーケティングリサーチ&コンサルティングを行うインフォブリッジを経て、2013年アイザックマーケティンググループの析得思(上海)商務諮詢有限公司の総経理に。
中国市場で事業を行う日系企業に対し、データ分析(統計解析やデータマイニング、テキストマイニングなど)やデータを軸としたシステム開発、ビジネスインテリジェンスサービスを提供している。
2008年より上海在住。
http://cds-cn.com/