2014/03/28 13:35

MONO 1st year anniversary party
– 環境に優しい新時代の電動三輪車

Photo:自社製Electric Tricycle(電動三輪車)の横に立つ代表取締役 徳重 徹さん Ⓒテラモーターズ(株)

MONO 1st year anniversary party
– 環境に優しい新時代電動三輪車

by 濱部修平(はまべ・しゅうへい)

 2020年の東京オリンピック開催が決定し、ますます環境への取り組みが重要な課題となりつつある日本。今回は電動バイク、シニアカーのメーカーとして知られ、グリーンテクノロジーのリーディングカンパニーであるテラモーターズ株式会社が開発中のElectric Tricycle(電動三輪車)に焦点を当てる。

Photo:狭い道でも小回りが効く小型のT4
Ⓒテラモーターズ(株)

 3月2日(日)、お台場テレコムセンター14階東棟に於いて、「MONO 1st year anniversary party」が開かれた。インキュベーションセンターとモノづくりを組み合わせた、今までにないコワーキングスペース「MONO」。2013年の3月1日に設立されてから早いもので一年が過ぎた。

「モノづくり」に特化したインキュベーション施設として、企業を育むことを目的とする「MONO」は、ベンチャー企業や起業家たちを支援する場として話題を集めている。

「MONO 1st year anniversary party」当日も、様々な「モノづくり」に取り組む企業が、独自に開発した技術を披露し合い、賑わいを見せていた。そして、その盛り上がりの中心の一つが、テラモーターズ株式会社によるElectric Tricycle(電動三輪車)だった。近年、資源制約や大気汚染などの環境問題への関心の高まりを背景に、注目を集めている電気自動車である。

電気自動車の特徴として、

1.Co2を出さない
2.電気をエネルギー源としているため、ガソリン車に比べランニングコストが低い
3.ガソリンを燃焼させる必要がないため、走行中の振動や騒音が小さい
・・・などが挙げられる。

 今回紹介する電動三輪車は、試作段階であるものの、運転手を含めて6人乗りで、最高時速50km、家庭用電源を使った一度の充電で走行距離は50kmほどだ。お台場・臨海エリアを訪れた観光客や、ビジネス目的で訪れる人たちの移動手段として利用することが検討されている。

イベントでは、開発中の電動三輪車だけでなく、これに連動するスマートフォンのアプリケーションも紹介された。このアプリケーションでは、GPS機能を使って自分の現在地情報を送信することにより、待っている所に車が迎えに来てくれるというスグレ物で、乗車した際には、そこから目的地までの到着時間も計算してくれる。また、お台場という立地上、海外からの来訪者も多いため、様々な外国語にも対応する予定とのことだ。

 「MONO 1st year anniversary party」では、特別に電動三輪車の試乗が行われた。試乗場所は、テレコムセンター地下3階駐車場だった。エレベーターを降りて駐車場への扉を開くと、今までの車の概念を覆す未来的なフォルムの車が滑りこんできた。

驚かされたのは、その外観だ。電気自動車は、エンジンルームが不要なため、デザインやパッケージに自由がきくことは有名だが、ここまでデザインがカッコいい電気自動車はいまだお目にかかったことがない。そして実際に乗車させてもらうと、その機能性の高さにも目を見張った。まず、走行がびっくりするほど「スムーズ」で「静か」だ。窓にガラスがなく、吹き抜けになっているため、もっと走行音が聞こえてもおかしくないと思ったが、ほとんど聞こず、揺れも少ない。また、窓が非常に大きく、360度景色を楽しむことができる。残念ながら、今回は試乗ということで駐車場内を走っただけだったが、実用化されたら、お台場の景色をゆったりと眺めながら移動することができるだろう。また、乗車席が「コ」の字状になっているため、家族や友人、ビジネスパートナーたちとの会話を楽しみながら移動できるのも嬉しい特徴の一つだ。

つまり、アプリケーション一つでElectric Tricycleを呼び、目的地を設定してしまえば、あとは静かな車内で家族や友人、ビジネスパートナーたちと外観を眺めながら談笑をしているだけで目的地に着いてしまうというわけだ。地球に優しいだけでなく、機能性も非常に優れているこの新時代電動三輪車は、今後最も注目を浴びる電気自動車の一つであると確信した。

 サービスとしての実用段階はまだ少し先の話だが、もしお台場に行く機会があれば、ぜひこのテラモーターズ株式会社の開発した電動三輪車に試乗して、今まで体験したことのない移動時間を過ごしてみてはいかがだろうか?

PROFILE

濱部修平

青山学院大学 総合文化政策学部2年

将来の夢は、メーカーかIT企業に就職し、日本の技術や製品を国内並び世界に普及する仕事に就くこと。

世界市場における日本企業の地位が相対的に低下している今、日本企業は一刻も早く新たなビジネス・モデルを確立することが重要なはず。そのためには、マーケティングを理解した上での幅広い視野が必須であると考え、大学ではマーケティングだけでなく、授業やラボを通し、様々な業界の知識や戦略を学んでいます。