第4回　中国は世界への扉
上海で元気に働くビジネスウーマン: 池田恵利さん

Photo:生徒さんとのレッスン風景 Ⓒ Eri Ikeda

深水：池田さんは上海に来て、もう8年ですね。今でこそ上海には何でもありますけど、当時は大変だったのではありませんか？

池田：私が上海に来たのは2006年。当時は今と比べると物価もとっても安く、日本食レストランも今ほど種類もたくさんありませんでした。今の上海は何でもありますね。

深水：池田さんは、日本語、中国語両方ででレッスンをおしえられる数少ないゴルフ・インストラクターですね。中国語を習得したのは中国に来てからですか？

池田：はい、最初の半年間は上海交通大学で中国語を学びながら、夕方以降に中華系のゴルフ・スクールでゴルフのインストラクターをするという二足の草鞋を履く生活をしていました。中国語が上達したのは、大学での勉強ももちろん役立ったのですが、勤めていたのが中華系のゴルフ・スクールだったので、日本人は私一人でした。給与や待遇、レッスン内容など全てを中国人と中国語で交渉をしなくてはいけなかったので、そこで現場で‘使える中国語’を学べたのではないかと思います。

深水：ゴルフ・レッスンの生徒さんは中国人と日本人のどちらが多いのでしょうか？

池田：今は日系のゴルフ・クラブに所属していることもあり、生徒さんは圧倒的に日本人の方が多いです。特に商社やメーカーの駐在員、それと、駐在太太（奥さん）が多いですね。
以前は、男性の生徒さんが多かったのですが、出産を機に、最近は出産後の奥さんの生徒さんが増えた気がします。やはり一人ひとり筋力も腕の長さ、体力も全く違いますから、生徒さん個人の体格やペースに合わせた指導を心がけています。

Photo:昨年秋に生まれた愛莉ちゃんと Ⓒ Eri Ikeda

深水：現在は、二人目のお子さんを上海で出産して育児休暇中とお伺いしていますが、上海での子育てはいかがですか？

池田：上海には私の両親も主人の両親もいないので、育児について家族のサポートを受けられません。ですので、掃除や洗濯を含めて、ベビーシッティングをしてくれるアイさん（お手伝いさん）にサポートをお願いしています。うちはとても信頼できるアイさんと出会えたので、非常に恵まれています。もちろん子供もなついていますし、長男は私とは日本語、アイさんとは中国語で話すので、勝手にバイリンガルに育っています（笑）。

深水：中国では日本に比べると子育てに寛容な気がしますが、実際にはいかがでしょうか？

池田：一般的に中国人の女性は産後半年以内に、家族やアイさんのサポートを受けて仕事に復帰しますから、そういう意味では他人のサポートを受ける環境が日本よりも整っていると思います。空気や水などの環境問題を除けば、上海は子育てしやすく、ワーキング・マザーにとっても働き続けることの障害は低いのではないでしょうか。中国では、電車や外で子供が騒いだり、泣き出したりしても、周りの人も嫌な顔をせずに子供をなだめてくれるので助かります。

深水：今回の育児休暇からは、いつ頃の復帰を予定しているのですか？

池田：いつから、というのは明確に決めていないのですが、生徒さんも復帰を待って下さっているので、できるだけ早く復帰したいとは思っています。けれども、小さい子供が二人いると、どちらかが熱を出したり、体調崩したりと、私だけの事情だけではなかなか決められません（笑）

深水：池田コーチの復帰、私も楽しみにしています。本日はありがとうございました。