2013/09/20 12:00

第5回「140字、1億人の”つぶやき”革命」から間もなく4年…
リアルへの回帰とソーシャルメディアのこれから

Photo: twitterではTV番組で盛り上がったり、ランチの写真をポストしたり… ⒸJunko Iwabuchi

by 岩渕 潤子(いわぶち・じゅんこ)/AGROSPACIA編集長

第5回 # gegege のハッシュタグが視聴率を押し上げた!

玉置:人の時間を支配することができるマスメディアにソーシャルメディアが乗るような形で、ゲリラ的に、様々なところで、興味の対象や方向性の異なる議論が展開できることが効果を生むというのは、最初から可能性として考えていました。

2010年の1月に週刊『ダイヤモンド』が特集を組んでtwitterに火をつけ、2月に関西ウォーカーでもtwitterアカウントの運用が始まったことはすでにお話しました。その直後の、3月末日にNHKの朝の連続テレビ小説で『ゲゲゲの女房』が始まったのですが、自分自身が水木しげるさんに私淑しているところがあり、とても楽しみにしていたのです。が、蓋を開けてみると、初回及び第一週の視聴率が過去最低で、これではいけないと考えてハッシュタグ「# gegege」をつくってツイートを始めました。

このハッシュタグがとても盛り上がり、ドラマ自体も尻上がりで視聴率が上がっていったため、結果として、とてもたくさんツイートされました。TVでドラマを観ながら思いっきりツイートするというのは、手前味噌かもしれませんが、あれが最初だったのではないでしょうか。

岩渕:twitterを使った成功体験の最初の事例ということですね。

玉置:ドラマを観ながらハッシュタグをつけてツイートすると楽しいいうことにみんなが気づいた。その時間帯のツイート数は1位を獲得していました。自分的には「このハッシュタグを作ったのは俺だぜ!」と思っていました(笑)

NHKの朝の連続テレビ小説を僕はずっと観ているのですが、今の『あまちゃん』だけではなく、『ゲゲゲの女房』からずっとツイートし続けているのです。面白いのは、『ゲゲゲの女房』の時からすでにそうだったのですけれど、忙しい漫画家やイラストレーターたちがそのツイートに乗ってきて、自分たちが描いたマンガやイラストを投稿するようになりました。

現在の『あまちゃん』だと「あま絵」といって、Pixivではないですけれども、プロのイラストレーターやアマチュアでもレベルが高い方たちが、自分で色々描いて投稿していて、それは『ゲゲゲの女房』から始まっていたわけですが、今も続いているのです。

PROFILE

玉置泰紀(たまき・やすのり)
関西ウォーカー編集長

1961年、大阪府枚方市生まれ。同志社大学文化学科哲学及び倫理学専攻卒業後、
産経新聞大阪本社に入社。記者として神戸支局、社会部で大阪府警本部捜査1課などを担当。その後、編集者に転じ、福武書店(現ベネッセ)で月刊女性誌カルディエ、角川書店でシュシュ、九州ウォーカー、東海ウォーカー、関西ウォーカーを担当した。長崎市観光専門委員、愛・地球博の食の専門委員、経団連の観光専門委員などを務めた。