玉置泰紀(たまき・やすのり)
関西ウォーカー編集長
1961年、大阪府枚方市生まれ。同志社大学文化学科哲学及び倫理学専攻卒業後、
産経新聞大阪本社に入社。記者として神戸支局、社会部で大阪府警本部捜査1課などを担当。その後、編集者に転じ、福武書店(現ベネッセ)で月刊女性誌カルディエ、角川書店でシュシュ、九州ウォーカー、東海ウォーカー、関西ウォーカーを担当した。長崎市観光専門委員、愛・地球博の食の専門委員、経団連の観光専門委員などを務めた。
twitter元年といわれた2010年……その年の1月下旬、週刊『ダイヤモンド』が「2010年ツイッターの旅 140字、1億人の”つぶやき”革命」という特集を組み、この号は雑誌なのに重版がかかるほど売れた。Chapter 1は「ツイッター旋風上陸! 特別対談 ツイッターは流行では終わらない 津田大介×堀江貴文」、Chapter 2 「やらずに書けるか!」では「 ”ツイッター議員”が続々登場!」というコラム、Chapter 3 「ツイッターで企業も変わる」といった内容だった。そして、その年の4月、関西ウォーカー・編集長の玉置泰紀さんは、大阪・日本橋の日本橋ショップヘッドライン/ぽんタブ @dendentownさんなど、勃興期の関西のツイッタラー有志と心斎橋のスタンダードブックストアで「関西Twitterサミット」を華々しく開催した。
twitterユーザーなら、昼夜を問わず、様々な事象についてさりげない、そして時には深い洞察力が光る玉置さんの”つぶやき”はお馴染みのことだろう。ほとんど「プロ」ともいえる「NHK朝の連ドラウォッチャー」である彼の本業は雑誌の編集長なので、上記の週刊『ダイヤモンド』と同じタイミングで同じ企画を考えていたそうだ。先を越されて、さぞや悔しかったことだろう。そして、週刊『ダイヤモンド』が特集を出した一週間後、関西ウォーカーのアカウントから「twitterはじめましたなう」という、初めてのポストを行った。こうした経緯から玉置さんは、「雑誌、紙メディアの中で本格的にtwitterに取り組んだのは、 週刊『ダイヤモンド』と『関西ウォーカー』だと思っている」と自負している。
今回は、玉置さんと筆者との深夜のふとしたtwitterトークで、「ソーシャルメディア全盛時代だからこそ、リアルな空間って大事ですよね」「実際に人と同じ場所を共有できるイベントって、やっぱり面白いですよね」ということから、心斎橋のスタンダードブックストアで開催されているトーク・イベントが盛り上がっているという話になり、そこが「関西Twitterサミット」の会場であったことから、「紙の出版はダメだとか言われているけど、リアル・ソーシャルの場としての本屋さんって、改めてその価値が再発見されるんじゃないでしょうか」などといった流れで、「じゃあ、一度、ソーシャルメディアとリアル・ソーシャルへの回帰についてお話しましょう」ということとなった。
「ソーシャルなリアル空間としての書店」は、ここ2〜3年、筆者にとっては非常に興味を惹かれるテーマだったので、玉置さんとの対話が実際に心斎橋のスタンダードブックストア訪問、そして、社長の中川さんインタヴューにもつながったことは大変有難く、楽しい企画となったので、玉置さんには感謝している。
岩渕: ソーシャルメディアというものが話題になって何年かになる中で、 そろそろリアル空間こそが本当の意味でのソーシャルメディアなのではないか……ということを改めて検証すべき時期かなと思っています。リアルなものがあってこそのソーシャルメディアであるわけで、リアルとネットの関係には絶えず注目していました。要するに、最終的にはリアルなソーシャル・コミュニケーションが目的とされるべきところであって、ネット上メディアでのソーシャルというのはそれを補ったり、情報や対話のエッセンスを濃縮したりするためのプラットフォームでしかないのではないか……と思うのです。
アメリカでは、バーンズ・アンド・ノーブルなど、大手チェーン展開のブックストアが数を減らしてゆく中、地方都市に住むベストセラー作家が何人か集まって街の独立系書店を買収し、 本好きの住人たちがそれを支援しているという話がニュースになって、注目していました。日本でもそのような事例があるのではないかと探していたところ、玉置さんがスタンダードブックストアを話題にしておられたので、 一度このテーマでお話をしたいと考えていました。まずはソーシャルメディアとリアル空間を玉置さんがどう認識されているのかについて伺いたいと思います。
玉置: スタンダードブックストアそのものについては、社長の中川さんに聞かれるのが良いと思うのですが、『関西ウォーカー』との関係でいうと、2010年4月にスタンダードブックストアで「関西twitterサミット」を実施しています。2010年はtwitter元年であり、1月下旬に週刊『ダイヤモンド』がツイッターをテーマにした特集をやり、これが大変売れて雑誌なのに重版がかかるほどでした。
その前年辺りからインターネット上ではtwitterが流行りつつあるという話はありましたが、まだ一般に広がってはおらず、 2009年の紅白歌合戦で当時twitter部長と言われていた末広部長がツイートを行ったのが話題になったぐらいです。その流れを2010年1月に週刊『ダイヤモンド』が大特集を行い、日本でtwitterがSNSとして定着したのがそのタイミングでした。
その1週間後ぐらいに関西ウォーカーが初めてtwitterで「twitterはじめましたなう」とポストを行いました。雑誌、紙メディアの中で本格的にTwitterに取り組んだのは、 週刊『ダイヤモンド』と『関西ウォーカー』だと思っています。
玉置泰紀(たまき・やすのり)
関西ウォーカー編集長
1961年、大阪府枚方市生まれ。同志社大学文化学科哲学及び倫理学専攻卒業後、
産経新聞大阪本社に入社。記者として神戸支局、社会部で大阪府警本部捜査1課などを担当。その後、編集者に転じ、福武書店(現ベネッセ)で月刊女性誌カルディエ、角川書店でシュシュ、九州ウォーカー、東海ウォーカー、関西ウォーカーを担当した。長崎市観光専門委員、愛・地球博の食の専門委員、経団連の観光専門委員などを務めた。