第2回 牧野二郎弁護士と上條由紀子弁理士による法律と知財に関する対話 ~アグロスパシア・キックオフ・セミナー~
2013年2月22日、アグロスパシア株式会社はIT関連の知識が豊富な法人法務の第一人者、牧野二郎弁護士(牧野総合法律事務所 弁護士法人)をお招きし、コメンテーターには金沢工業大学大学院知的創造システム専攻准教授/太陽国際特許事務所の上條由紀子弁理士をお迎えして、キックオフ・セミナー、「法律と知財: 起業する前にこれだけは知っておきたい!」を開催しました。
本記事はセミナー内容を書き起こし、編集を加えたものです。
事業計画は絵空事ではダメ
牧野:情念には根拠が必要・・・その意味でも、事業計画をしなさいと言われるわけです。事業計画は絵空ごとではありません。
要するに、マーケットを見すえて、自分の商品がどういう風に出ていった時に、1年目にこういうところまで達成する、そのための要因は何で、どれくらいPRをして、これの潜在能力がどれくらいで、それを理解してくれるのは何人くらいであろうということをキチっと積み上げていく。そういう、誠実な検証作業だと思いますね。それを3年、5年という時間的なスパンで見せていく。5年くらいになってくると、少し未来要素も入ってきますけれども、少なくとも1年、2年の事業計画というのは、僕らが投資しますか、あるいは合併しますかという時、もっとも重要な要素なので、まずは事業計画を持ってきなさいと必ず言います。
事業計画を持ってきた時に、その人のスキルが見えます。だからこそ、その部分は相当慎重にすべきです。その仕事にどれだけ注力していて、マーケットをどれだけ見すえていて、それを買ってくれる人、利用してくれる、お金を払ってくれる人の気持ちと、その条件をどれだけ詰めていくかというのが事業計画に反映されてくるわけですよね。そういうものを何回も作っていかないといけない。